「うちのお店のオリジナルレモンサワー缶を作れないだろうか」。そう思って検索すると必ず出てくるのがOEMという言葉です。ただ、レモンサワーのOEMは事例が少なく、費用も流れも表に出てきません。ぼく自身、クラフトレモンサワー缶「ザムライレモンサワー」(SHUTSUJIN/SPICY)をゼロから企画して形にしました。レモンザムライは受託製造の会社ではありませんが、依頼する側に回って初めて分かったことがあります。OEMがどういう仕組みで、どこでつまずきやすいのかを、作った側の目線で整理します。
目次
レモンサワーのOEMとは何を委託することなのか
OEMは、自分のブランドの商品を、設備を持つ別の会社に作ってもらう仕組みです。レモンサワーの場合、企画・味の方向性・デザイン・売り方は依頼する側が決め、仕込みと充填は製造所が担当します。「工場を借りる」というより「自分の設計図を持ち込んで、作れる人に頼む」が実態に近い。
最初に押さえておきたいのが、レモンサワーはお酒だということ。食品のOEMとは前提が違い、酒類の製造免許を持つ製造所でなければ作れません。ラベルの表示にも酒類ならではの決まりがあります。「レシピさえ決まれば作れる」ではなく、制度の上に乗せる作業が必ず挟まると考えておくと話が早く進みます。
- 依頼する側が決めること:どんな味か、誰に飲んでほしいか、いくらで何本作り、どこで売るか。委託先は代わりに決めてくれません。
- どちらの担当でもない領域:デザイン、販路、在庫の保管、売れなかったときの責任。ここが抜けたまま進むと、缶はできたのに動かない状態になります。
オリジナル缶ができるまでの6ステップ
順番が前後すると必ずやり直しが出ます。実際にたどった流れを、ムダのない順に並べるとこうなります。
- 誰に飲んでほしいかを一文で決める常連さんに配るのか、物販で売るのか。ここが曖昧なまま試作に入ると、味の判断基準がなくなります。
- 味の方向性を言葉にする「甘くない」「香りが立つ」など、比較できる言葉で書き出します。既存の商品を持ち込んで「これより酸っぱく」と伝えるのがいちばん通じます。
- 委託先を探して相談する酒類の製造ができる製造所に、本数と方向性を持って相談します。この段階で最小ロットと納期の目安が見えます。
- 試作と修正届いた試作を飲んで、直したい点を具体的に伝えます。一度で決まることはまずなく、ここに時間を使えるかで完成度が分かれます。
- ラベルと表示を固める酒類として書かなければいけない表示があります。デザインを先に完成させると、入れる場所がなくて作り直しになります。
- 製造・納品・保管できあがった缶が一度に届きます。「どこに置くか」を決めていないと、ここでいきなり困ります。ぼくも段ボールに部屋を占領された口です。
最初にぶつかる3つの壁
壁1:最小ロットが「作りたい数」と噛み合わない
缶は一度ラインを動かすとまとまった本数になり、1店舗で消費するには多すぎることが珍しくありません。先に売り先を決めてから数量を相談する——この順番を守るだけで失敗の大半は避けられます。店内・物販・通販・贈り物の4つを足して、無理なくさばける本数から逆算します。
壁2:味が「思っていたもの」にならない
グラスで作る一杯と、缶に詰めて時間が経ったものは、同じレシピでも印象が変わります。特にレモンの香りは繊細で、扱い方ひとつで飛ぶ。試作の段階で「香りをどう残すか」を委託先と話せるかが分かれ目です。
壁3:できたあとの仕事量を読み違える
缶が完成した時点では、まだ何も始まっていません。保管場所、送り方、値付け、売り場、写真、説明文。作るより売るほうが長いのが正直な実感です。
「まずは中身から相談したい」という方へ
缶を作るかどうかの前に、どんなレモンでどんな一杯を出したいのかを決めるのが近道です。国産レモンのペースト・果汁・クラフトレモンサワー缶の卸について、公式LINEから気軽にご相談いただけます。「この価格帯でこの濃さを出したい」といった中身の相談も歓迎です。
レモンザムライ 仕入れ・味づくり相談窓口(LINE)費用とロットの考え方
金額は委託先・仕様・数量で大きく変わるため、相場をひとつの数字では言い切れません。代わりに見積もりが何で構成されているかを知っておくと比較ができます。
| 費目 | 中身 | 数量が増えたとき |
|---|---|---|
| 中身の原料費 | レモン、お酒、その他の材料 | 本数に比例して増える |
| 製造の費用 | 仕込み・充填・検査などの手間 | 1本あたりは下がりやすい |
| 缶とラベル | 缶の本体、印刷、デザイン | 初回にまとまった準備費がかかりやすい |
| 試作 | サンプルの製作と輸送 | 回数を重ねるほど増える |
| 保管・配送 | 置き場所と送料 | 本数に比例して重くなる |
相見積もりは同じ条件で揃えて出すのがコツです。本数・度数・使いたいレモンの形(生・果汁・ペースト)・缶のサイズ。この4つが違うと、金額を並べても比べられません。
売値の目安として、クラフト系のレモンサワー缶は1,000円前後からの価格帯で流通しています。積み上げた原価がこの帯に収まるか。売値から逆算して仕様を決めるほうが完成後に困りません。
差がつくのは「中身」——レモンの選び方
缶のデザインは目を引きますが、もう一度買われるかを決めるのは中身です。その印象をいちばん左右するのがどのレモンを、どう使うか。
レモンの香りは果汁よりも皮に多く含まれます。だから皮まで使えるかで一口目がまるで変わる。ただし皮を使うには防カビ剤を使っていない国産レモンである必要があります。輸入レモンが悪いのではなく、長い距離を運ぶ前提の処理がされているため、皮ごと使う用途には向かないというだけです。
もうひとつが熱の扱い。加熱すると保存はしやすくなりますが、香りは確実に飛びます。瀬戸田レモンを皮ごとすりおろした非加熱のペーストにこだわっているのも、この一点のためです。
缶を作らずに自店の味を出す方法
ここまで書いておいて何ですが、「オリジナルの一杯がほしい」だけなら、缶を作るのが最短とは限りません。缶は物販や配布に強い一方、ロットと在庫の重さがついてきます。
- ペーストで自店のレシピを組む:使う量を決めておけば誰が作っても味が揃い、配合を変えれば自店だけの一杯になります。在庫リスクもなく、お酒は幅広く使えるので、いまある銘柄をそのまま活かせます。
- 缶は「置く」ところから始める:オリジナルを作る前に、まずクラフトレモンサワー缶を仕入れて反応を見る。売れ方が読めてから進めば、数量の判断を間違えません。
- 両方を使い分ける:仕込みの余裕がない時間帯は缶、通常営業はペーストで自店の一杯。多くのお店がやっている組み方です。
ぼく自身は、いずれレモンサワー缶の製造工場を持つことを目標に動いています。委託する側から、作れる側へ。
よくある質問
- レモンサワーのOEMとは何ですか?
- 自分のブランドのレモンサワーを、設備を持つ会社に委託して作ってもらうことです。お酒なので、酒類の製造免許を持つ製造所でしか作れません。(※本ページは一般的な流れの解説です。制度の詳細は委託先や所管の窓口にご確認ください)
- 相談から完成までどれくらいかかりますか?
- 委託先と仕様によりますが、数か月単位で見ておくのが現実的です。試作と修正、ラベル表示の確認、缶やラベルの手配にそれぞれ時間がかかるため、「来月のイベントに間に合わせたい」という進め方は難しいと考えてください。
- 最低どれくらいの数量が必要ですか?
- 製造所によって最小ロットは大きく違います。缶は一度ラインを動かすとまとまった本数になるため、1店舗で使い切るには多いことが少なくありません。売り先と保管場所を先に決めてから数量を相談してください。
- レモンザムライはOEMの受託製造をしていますか?
- 受託製造は行っていません。レモンザムライ自身が缶を企画・製造している立場です。飲食店さま向けには国産レモンのペースト・果汁・クラフトレモンサワー缶の卸を行っており、ご相談は公式LINEから承っています。
まとめ:作る前に、売る場所を決める
レモンサワーのOEMでいちばん大事なのは、レシピでもデザインでもなく「誰に、どこで、何本売るか」を先に決めることです。ここさえ決まっていれば、味の判断も数量の判断もぶれません。そして、オリジナルの一杯を出したいだけなら缶を作らずに実現する道もあります。まず中身から相談する。遠回りに見えて、それがいちばん確実な順番だとぼくは思っています。
味づくりから相談できます
国産レモンのペースト・果汁・クラフトレモンサワー缶の卸について、飲食店さま向けにご相談を承っています。サンプルのご相談も歓迎です。
レモンザムライ 仕入れ相談窓口(LINE)ザムライレモンサワー缶を見る