ホットレモンサワーとは、炭酸の代わりにお湯で割る、温かいレモンサワーのことです。分量は生レモンペースト15g前後・焼酎45ml・お湯135ml。これだけ。ただ、レモンサワー専門店をやっているぼくから、先にひとつだけ言わせてください。いつものレモンサワーの炭酸をお湯に置き換えるだけでは、美味しくなりません。レモンの香りは熱に弱いからです。この記事では、基本の分量と手順、そして「温度」と「入れる順番」という2つの分かれ道をお話しします。
この記事のポイント
- 基本の1杯=ペースト15g前後+焼酎45ml+お湯135ml(+好みではちみつ小さじ1)
- お湯は70〜80℃。沸騰したては1〜2分おいてから注ぐ
- 入れる順番は「お湯 → お酒 → レモンは最後」
- スライスを浮かべるなら国産レモンで。理由は本文で
先に答え:基本のレシピ(分量と手順)

耐熱グラス1杯(できあがり約200ml)の分量です。

- 生レモンペースト 15g前後:スプーン山盛り1杯が目安。レモン果汁でも作れますが、香りのもとは皮にあるので、皮ごとのペーストのほうがホット向きです。
- 焼酎 45ml:甲類25度が基準。温かい一杯はアルコールを強く感じやすいので、冷たいときと同じ1:3でも十分です。お酒は焼酎に限らず幅広く使えます。
- お湯 135ml:70〜80℃。ここがいちばんの分かれ道です(次のセクションで説明します)。
- 好みで はちみつ 小さじ1:最初から入れず、一口飲んでから足すほうが調整しやすいです。
そして手順。順番は「お湯 → お酒 → レモン」です。

お湯を先に注ぐのは、焼酎のお湯割りと同じ理屈です。耐熱グラスごと温まって冷めにくくなり、後から注いだお酒が対流で自然に混ざるので、マドラーでかき回す必要がありません。そしてレモンは、飲める温度まで落ち着いてから、最後に入れる。ここだけは絶対に守ってほしいポイントです。
なぜ沸騰させないのか。香りは熱に弱い
正直に言うと、ぼくも最初は「温かければいいでしょ」と思っていました。グツグツに沸いたお湯で作って、一口飲んで、あれ、となった。レモンの香りがしないんです。酸味だけがとがって、別の飲みものになっていました。
理由は単純で、レモンの香りの成分は熱に弱く、高い温度だと湯気と一緒に飛んでいってしまうからです。うちで扱っている生レモンペーストが加熱せずに作られているのも、まったく同じ理由。加熱すると香りが飛ぶから、非加熱にこだわっているのに、仕上げの一杯でグツグツのお湯をかけたら台無しです。

目安は70〜80℃。といっても温度計はいりません。電気ケトルなら、沸いてから1〜2分おいて注ぐだけ。保温ポットのお湯なら、だいたいこの帯に収まっているのでそのまま使えます。レモンを最後に入れるのも同じ理由で、いちばん熱い瞬間にレモンを触れさせないための順番です。
ホットの主役は、皮の香りです
瀬戸田レモンを皮ごとすりおろした無添加・非加熱の生レモンペーストなら、お湯に溶かすだけで湯気と一緒に皮の香りが立ちます。レモンペーストは冷凍で3年もつので、冬の間ずっと「お湯を注ぐだけの一杯」が続けられます。
お湯で割るだけの生レモンペーストを見るホットで飲むなら、レモンは国産・皮ごとがいい理由
ホットレモンの写真といえば、レモンスライスが浮かんだ一杯。あれをやるなら、レモンは国産を選んでください。
輸入レモンの皮には、船で数ヶ月かけて運ぶ間のカビを防ぐための薬剤(防カビ剤)が使われています。この薬剤は水に溶けやすい性質だと言われていて、温かい飲みものにスライスを浮かべる使い方は、いちばん相性が悪い。ぼくはこの話をVoicyでもしたのですが、お店で外国産のカットレモンが出てきたら、そっと取り出してしまうくらいです。国産レモンは船の長旅がないので、防カビ剤を使う必要がそもそもありません。皮まで使うホットの一杯こそ、国産の出番です。
もうひとつ、味の話。輸入レモンは輸送の間に旨味が抜けて、酸味だけが残りがちです。レモンには本来、糖度があって、甘みと程よい酸味がある。10月からは瀬戸田レモンの新物が出回る季節で、ホットにするとこの甘みの差がはっきり出ます。

アレンジ3つ:はちみつ・生姜・塩
基本の1杯ができたら、ひとつ足すだけでアレンジになります。

- はちみつ 小さじ1:とろみと甘みがついて、夜のリラックスした一杯に。お湯の段階で溶かしておくと混ざりやすいです。
- おろし生姜 小さじ1/2:体の芯から温まる組み合わせ。チューブでも十分です。
- 塩 ひとつまみ:甘くしたくない日はこちら。酸味の輪郭が締まって、食事にも合わせやすくなります。
ちなみに、冷たいレモンサワーの道具と分量の深掘りは氷とグラスの読みものに、ノンアルのホットレモンを含む8杯ぶんの分量はレシピ図鑑にまとめています。
「炭酸をお湯に替えただけで美味しくならないのは、腕のせいじゃありません。香りが熱で飛んでいただけ。温度と順番さえ守れば、冬のレモンサワーはちゃんと美味しいです。」
— レモンザムライ(レモンサワー専門店「曖昧時空」店主)
よくある質問
- アルコールなしでも作れますか?
- 作れます。お酒を抜いて、ペースト15g前後をお湯180mlで割れば、そのままホットレモンになります。はちみつ小さじ1を足すと飲みやすくなります。同じ材料で、飲む人の一杯と飲まない人の一杯を同時に作れるのもホットの良いところです。
- 電子レンジで温め直してもいいですか?
- 冷めた一杯の温め直しはおすすめしません。レンジで再加熱するとレモンの香りがさらに飛び、アルコールの角も立ちやすくなります。作るときに「飲み切れる1杯分(約200ml)」だけ作るほうが、最後まで美味しく飲めます。
- お酒は焼酎じゃないとダメですか?
- 焼酎に限らず、ウォッカなどお酒は幅広く使えます。クセの少ない蒸留酒なら、レモンの香りを邪魔しません。温かい一杯はアルコールを強く感じやすいので、どのお酒でもまずは45mlから試して、好みで調整してください。
- レモンスライスを浮かべたほうがいいですか?
- 見た目は良くなりますが、必須ではありません。浮かべるなら国産レモンにしてください。輸入レモンの皮に使われる防カビ剤は水に溶けやすいと言われていて、温かい飲みものに浮かべる使い方とは相性が良くないからです。皮ごとすりおろした国産レモンのペーストを使えば、スライスなしでも皮の香りは立ちます。
まとめ:お湯は70〜80℃、レモンは最後
ホットレモンサワーの基本は、ペースト15g前後・焼酎45ml・お湯135ml。お湯は沸かしてから1〜2分おいて、お湯 → お酒 → レモンの順番で、レモンは飲める温度になってから。たったこれだけで、「なんか違う」だった冬の一杯が、湯気と一緒に香る一杯に変わります。今夜、ケトルひとつで試せます。
冷凍庫に1本あれば、冬の夜はお湯を注ぐだけ
瀬戸田レモンを皮ごとすりおろした無添加・非加熱の生レモンペースト。レモンペーストは冷凍で3年ストックできるので、思い立った夜にいつでも1杯ぶんだけ使えます。
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